小澤典行さんが理事長を務める高野病院は福島県双葉郡にある、地域密着型の医療機関です。
東日本大震災や原発事故、そして復興の中でも地域医療を守り続けてきました。現在は認知症治療や療養医療を中心に多くの患者を支えています。
本記事では、高野病院の理事長を務める小澤典行さんの経歴や人柄をはじめ、同院の特徴や評判、採用情報について、病院関係者への取材と独自調査をもとにまとめています。
また、医療業界の現状や課題、高野病院の今後の展望についても紹介しているため、医療業界への転職や就職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
小澤典行とは?高野病院理事長としての経歴と人物像

小澤典行さんは、長年医師として勤めてきた経験を持ちながら、現在は病院経営者として活躍する人物です。
循環器内科専門医として心臓カテーテル治療や遺伝子解析の研究に従事した後、院長の道を志しました。そして経営を学び、多くの病院で経営改革に取り組んできました。
過去には、グループで全国5病院の経営改善を同時に行い、すべての病院を黒字化させた実績もあります。
現在は、福島県双葉郡にある医療法人社団養高会「高野病院」の理事長を務めています。
プロフィール
小澤典行さんのプロフィールは以下の通りです。
- 名前:小澤典行(おざわ のりゆき)
 - 生年月日:1963年7月31日
 - 出身:愛知県
 - 学歴:富山医科薬科大学(現・富山大学)医学部卒業
 - 専門分野:循環器内科、心臓カテーテル治療、救急医療など
 - 現職:高野病院 理事長
 
小澤典行の生い立ち
愛知県出身の小澤典行さんは、幼少期から野球やサッカー、剣道、陸上など多彩なスポーツに親しみ、抜群の運動神経を発揮していました。
スポーツ少年だった小澤典行さんは高校卒業後に医師を志し、富山医科薬科大学(現・富山大学)医学部に入学します。
そして、1989年に卒業し、その後、同年6月に東京女子医科大学日本心臓血圧研究所の循環器内科へ入局し、約10年間にわたり臨床経験を重ねながら専門知識と技術を磨いていきます。
小澤典行の経歴
小澤典さんの経歴は以下の通りです。
- 1989年:東京女子医科大学日本心臓血圧研究所 循環器内科 入局
 - 1999年:大和徳洲会病院 循環器センター長就任
 - 2001年:横浜旭中央総合病院(明芳会)/循環器科部長就任
 - 2009年:湘南東部総合病院(康心会)/副院長兼循環器センター長就任
 - 2013年:大和徳洲会病院 および 静岡徳洲会病院/副院長兼循環器センター長就任
 - 2014年:湘南厚木病院 院長就任
 - 2015年:再び大和徳洲会病院 院長就任
 - 2017年:葵会柏たなか病院 院長代理就任
 - 2019年2月:間中病院 副院長就任
 - 2019年6月:間中病院 院長就任/静岡地区病院メディカルアドバイザー兼任
 - 2020年:間中病院 院長/静岡地区病院メディカルアドバイザー/神戸彦坂病院総長兼任
 - 2021年:原田病院 院長就任
 - 2023年:高野病院 理事長就任
 - 2024年:長田内科循環器科医院(法人合併) 理事長兼任
 
小澤典行が継承した高野病院とは

「高野病院」は、1980年に医師である高野英男さんが創設した病院です。海と山に囲まれた自然豊かな福島県双葉郡にあり、地域に根ざした医療を提供し続けてきました。
2011年の震災時には、多くの病院が避難や休院を余儀なくされる中、高野病院は可能な範囲で診療を継続してきました。その後も、住民が安心して受診できる体制を整備しながら地域医療に貢献しています。
高野病院は、内科・精神科・リハビリを中心に、多世代の患者に幅広く対応できる病院です。
高齢患者へのきめ細やかな医療を実現する「内科療養病棟」や、認知症患者が安心して療養できる「精神科認知症治療病棟」など、充実した病棟体制も高野病院の特色となっています。
高野病院の歩み
小澤典行さんが理事長を務める高野病院は、これまで地域と共に歩んできました。
ここでは、高野病院の歴史を紹介していきます。
| 昭和55年9月 | 福島県双葉郡広野町に内科75床、精神科64床の計139床の個人病院として開設 | 
| 平成7年9月 | 医療法人社団養高会設立 | 
| 平成14年9月 | 療養病棟2棟65床、精神科病棟63床、計128床に再編 精神病棟の増築を含む全面改装を行う 療養病棟2棟65床、精神科療養病棟1棟53床に再編  | 
| 平成18年4月 | 療養病棟1棟65床、精神科療養病棟1棟53床、計118床を許可病床とする | 
| 平成20年4月〜 平成28年12月  | 社団法人日本精神科神経学会専門医制度における研修施設に認定 | 
| 平成23年3月 | 東京電力福島第一原子力発電所事故発災 事故後も避難せず医療提供を継続  | 
| 平成24年4月 | 事故後閉鎖していた精神科を再開 療養病棟1棟65床、精神科病棟1棟53床  | 
| 平成30年11月 | 精神科病棟を認知症治療病棟へ変更 療養病棟1棟60床、認知症治療病棟1棟53床とする 療養病棟1棟60床、認知症治療病棟1棟49床とする  | 
| 令和6年12月 | 医療法人長田内科循環器科医院と合併 | 
理念



高野病院の理念(画像引用元:高野病院公式サイト)
全国の実に60%の医療機関で後継者がおらず、閉院の危機に直面していることが現実です。また高齢の医師が多く、経営を続けるには体力が続かず、赤字経営となってしまっている医療機関が多く存在します。
地域の医院や病院が閉院すれば、通院していた患者様は遠い医療機関を選択しなければならなく、高齢者などの負担は大きくなります。これらの医療機関の存続には、豊富な人材や経済基盤が必要で、個々の医療機関では解決できない問題を処理できる可能性があります。
高野病院の”ここに、こころに”が示す言葉は心温まる医療を地域に存続、提供することが私どもの使命であること表しています。
事業内容


また、精神科、脳神経外科、消化器内科、循環器内科などの専門外来を行っております。CTや生化学分析装置も備えており、救急車の受け入れも可能です。
その他、訪問看護、訪問診療、訪問リハビリも行っております。

高野病院の施設(画像引用元:高野病院公式サイト)
小澤典行のもとで進化する高野病院の強み

病院の強みや、他の医療法人との違いも踏まえて教えてください。

法人合併により資金、人財などの流通が可能となり、規模による経営基盤の安定化が期待できます。
当グループの強みは”地域医療を守る”という信念が浸透していることです。
一般的に、M&Aの目的はお金を儲け、領土を広げるビジネス的要素が多いのですが、私たちは”地域医療を守る”ことが最優先です。信念・理念に基づいた行動こそ、当グループの特徴です。
高野病院の採用情報

現在、高野病院では様々な職種で採用活動を行っています。ここでは、具体的な募集職種や求める人物像を紹介していきます。
また、高野病院で働く魅力となる福利厚生や待遇、環境についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
募集職種
高野病院で募集している職種は以下の通りです(2025年10月時点)。
- ヘルパー・介護職員(日勤パート)
 - ヘルパー・介護職員(正社員)
 - 看護師
 - 薬剤師
 - 医師(常勤)
 - 准看護師
 - 作業療法士
 - 理学療法士
 - 清掃スタッフ
 
求める人物像
どの職種も、高齢者の方とのコミュニケーションが多く求められる業務です。
そのため専門的なスキルも大切ですが、同じくらい前向きかつ、積極的にコミュニケーションに取り組める人が活躍できるでしょう。
働く環境
40代を中心とした多世代のスタッフが活躍しています。
慢性期医療やリハビリを行う病院のため、慌ただしさに追われることなく、落ち着いた環境で業務に集中できるでしょう。
また高野病院がある福島県双葉郡広野町は、海と山に囲まれた自然豊かな環境が魅力です。都会の喧騒を離れ、自然の中でのんびりとした時間を過ごせるのも高野病院ならではの特徴です。
福利厚生・待遇
高野病院には手厚い福利厚生も整っています。例えば、扶養手当や夜勤手当、住宅手当、帰省手当、職務手当など各種手当を備えており、安心して働ける環境を提供しています。
また楢葉町に職員寮を完備し、お手頃な価格で食事を利用できるなど、経済面でのサポートも充実している点も魅力です。
さらに、夏休みや冬休み、誕生日休暇、特別休暇などの休暇制度が充実しているのも嬉しいポイントです。
高野病院で働くスタッフの評判口コミを調査!

充実した福利厚生や休暇制度が特徴の高野病院ですが、実際に働いているスタッフはどのように感じているのでしょうか。

安心して働ける環境
先生やスタッフが親切で優しく、相談がしやすい環境です。子育て世代も勤務しており、休みもとりやすいと思います。入社して1ヵ月はプリセプターが指導してくれるなど、安心して働ける教育制度が魅力です。
この口コミから見ると、高野病院は人間関係が良く、家庭との両立がしやすい環境であることが分かります。
また、新人教育が充実していることからも、働くスタッフの安心感や定着率を重視した、温かみのある病院であることがうかがえます。
公正な給与制度
この口コミからは、努力や実績が給与や昇給に反映されやすく、モチベーションを持って働ける職場であることがうかがえます。
自分の頑張りが正当に評価される環境で働きたい人にとって魅力的だと言えるでしょう。
ワークライフバランスを大切にできる
休暇制度の充実は、働きやすさや職員の満足度向上につながるポイントです。
この口コミから高野病院では、多様な休暇制度が整っており、ライフスタイルやプライベートに合わせた柔軟な勤務が可能であると言えるでしょう。
高野病院で働くスタッフの評判口コミまとめ

良好な人間関係が築かれていることだけでなく、充実した研修制度や休暇制度、公平な評価制度など、モチベーション高く働ける要素が多くあります。
ワークライフバランスを重視したい人や、やりがいや評価を重視する人、経験が浅くても安心して働きたい人にとって魅力的な病院だと言えます。
医療業界の課題と可能性

現在の日本は、少子高齢化や労働問題、地方の過疎化など様々な社会問題を抱えています。これらの社会問題は、医療業界とも深くかかわっています。

医療業界の強みと弱み


しかし、命を扱う以上、お金がかかると言って治療を中断することは人道的にも不可能です。
つまり、杓子定規な医療資源の規制では現場は回らないため、高度医療を提供する病院ほど財政難となることは必須です。
個人医院でも、自由診療などの医療提供や訪問診療などのサービスを開始しなくては経営難を免れません。医療業界の最大の弱点は経済面です。
医療業界の今後


例えば、医師の働き方改革です。ただでさえ、多くの病院が人手不足で困っているのに労働時間を制限されれば、経営が成り立ちません。医師のほとんどは、長時間勤務についても不満がありません。
また、研修医制度に関しても、若い医師の育成上、弊害ばかりです。
医師の偏在を防止する目的で大学の地域枠入学が増えてきましたが、地方が本当に必要としているのは中堅クラスの医師です。若い医師は都会の大きな病院で知識と技術を学びたいと考えていると思いますし、そうすべきです。
さらに、公立病院の約70%は赤字、私立病院も多くが経営難で閉院を余儀なくされる例もあります。公立病院の場合、2つの病院の併合で乗り切ることもありますが、新病院の建設費用問題や何より患者様の通院が不便になりがちです。

小澤典行率いる高野病院の今後の展望


地域医療機関は単独では経済的にも人材的にも経営は苦しいですが、規模が大きくなればリスクは低減できると予測されます。
儲ける医療機関を目指すより、地域に存続できることを目標にしています。
ジョブリエ編集部まとめメモ
以上が、小澤典行さんや高野病院について取材や独自調査した結果です。
循環器内科専門医として臨床や研究に従事してきた小澤典行さんを筆頭に、高野病院は地域密着型の医療を提供し続けています。医療業界が抱える様々な問題にも「地域医療を守る」という信念を持ち、医療事業に取り組んでいることがうかがえました。
また、患者だけでなく、病院スタッフに対しても安心して働ける環境を整備していることが分かりました。教育制度や福利厚生が充実しており、経験が浅い人でも安心して業務に取り組めるでしょう。
 自然豊かな環境で落ち着いて働きながら、地域医療に貢献できる点もポイントです。
キャリアを積みつつ、ワークライフバランスも大切にしたい人にとって、高野病院は理想的な職場環境と言えるでしょう。
法人概要
| 名称 | 医療法人社団養高会 高野病院 | 
| 開設 | 1980年9月 | 
| 理事長 | 小澤 典行 | 
| 院長 | 社本 博 | 
| 病床 | 109床 | 
| 職員数 | 101名 | 
| アクセス | 〒979-0402 福島県双葉郡広野町大字下北迫字東町214番地 | 
| 公式サイト | https://takano-hosp.jp/ | 
